







挿絵画家、舞台装置家として大正から昭和初期にかけて活躍した小村雪岱。こちらは大正15年から没年の昭和15年までの雑誌掲載作品を中心に集成した挿絵集です。
物語を語り出すかのように躍動を感じる描線。風景や人物の表情のなかにある微かな趣き、僅かに見える情感をみつける楽しさがあります。とりわけ雨の描写はうつくしく、小雨、土砂降り、さまざまな雨音が絵の中から聞こえてくるようです。
"雪岱調"と呼ばれる画風には、時代が変わっても風化しない、しなやかな強さと美意識が感じられます。
発行:幻戯書房
発行年:2018年
サイズ:四六判
ページ:253p